なぜ「採用側の本音」を書くのか
デザインの求人ページには、どこを見ても同じ言葉が並んでいます。「上流から関われる」「本質的な課題解決」。……その"上流"って、具体的に何やねん、と。
言葉はきれいなのに、解像度は人によってバラバラです。応募する側は「上流に関わりたい」と言い、採用する側は「上流を任せられる人がほしい」と言う。でも両者の思い描く"上流"がズレたまま面接が進み、入ってからミスマッチに気づく——そういう現場を、数えきれないほど見てきました。
これはデザイナー側だけの問題ではありません。企業=採用する側が、本音をちゃんと言葉にしてこなかった。これも大きい。デザイン会社の採用は、正直に言えば、華やかな"上流"だけを求めているわけではありません。事業を回して稼ぐ人も、組織を大きくするために現場をまとめる人も、同じくらい必要です。なのに募集要項には、きれいごとしか書かれていない。
だから、このブログでは採用・評価する側の本音を書きます。デザイナー本人にとっても、採用する側にとっても、ミスマッチが一つでも減るように。きれいごとは、書きません。
運営者「デザうさ」について
デザイン・制作の業界に、約20年います。自分で手を動かして絵を描くタイプのデザイナーではありません。制作をまとめるプロデューサー/ディレクターとして作る側にいることもあれば、採用・評価・アサインする側に回ることも多い——とくに採用・評価には、この15年ほどがっつり関わってきました。
- 大手広告代理店で、制作プロデューサーとして食品・家電・製薬など幅広い広告制作を担当。社内外の一流クリエイターや多数の制作プロダクションと組み、"制作とデザインの仕事の基礎"を叩き込まれました。
- その後、制作会社でデザイナー採用を本格的に担当。UIデザイナー・イラストレーター・3Dモデラーを中心に、のべ1,000名以上を面接(書類・ポートフォリオはその数倍に目を通しました)。専門学校や美大の就職の現場にも足を運んでいました。
- 直近は総合的なデザイン会社で、グラフィック/Web/UI・UX/フロントエンドまで網羅的に採用・評価。ここまでで採用・アサインに関わった人数は累計300名以上、確認したポートフォリオは数千件になります。
- 自分では描けないぶん、見る目を養うためにデッサンも学びました。"狂い"を見抜ける目は、今でもやっておいてよかったと思っています。
そして今いちばん頭を悩ませているのが、生成AIの時代に、デザイナーという仕事とその人材をどうフィットさせていくか。制作物の幅が変わるだけでなく、ビジネスモデルごと変わろうとしている中で、これまで採用してきた人たちをどう新しい時代に合わせていくか——その社内教育まで含めて、デザイン人材に向き合う経営側の一人として、日々考えています。「知らんけど」で済ませられる話じゃないんです。
※特定を避けるため、社名や在籍時期などは伏せています。書いているのは、実際に体験したことだけです。
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